階段
ちょっと気持ちが沈むことがあって、晴天の日曜日の昼下がりを、
ベッドの上で一人、だらーんと過ごしていた。
(でもまあ気持ちが沈まなくても、わりとよくだらーんと過ごしてはいる。)
昼寝って気持ちいいんだけど、魂を古い記憶に引き戻される感じがする。
記憶というより、古い古い時間そのもの。
子供の頃の、風景、友達の声、庭の花、雨の音、あれやこれや。
懐かしいというよりも、鮮明すぎて、切ない。
断ち切るように起き上がり、夕方、ぶらりと買い物に出た。
普段用の香水が失くなってきたので、新しいものを買いに。
気に入って使っていた香りだけど、気分転換に違うものを。
▽ずっと使っていたのはこれ
▽新しいのはこっち♪
フォレッシュなガーデニアと比べると、ボトルも香りも大人。
ひと吹き手首につけてもらうと、すっかり優雅な貴婦人の気分で、
悩みごとも随分くだらないことに思えて消え去った。
また大人の階段を上ってしまった。
もう結構上ったけど、まだまだ登れてしまうなあ。